欧米では、遺伝性疾患発症リスクに関する遺伝子検査は、現在比較的一般的となっています。その効果が着実に表れています。
英国ケネルクラブが、8つの犬種の8つの遺伝性疾患について、各遺伝子検査が利用可能になってから約10年間に、病気を引き起こす遺伝子変異を持つ個体が各犬種で90パーセント以上減少したと、2019年1月に発表しました。
対象となった遺伝性疾患と犬種は以下の通りです。
| 疾患名 | 遺伝子名 | 対象犬種 |
| 進行性網膜委縮症 | PRCD | ラブラドール・レトリーバー アメリカン・コッカー・スパニエル |
| 遺伝性白内障 | HSF4 | スタッフォードシャー・ブル・テリア |
| 運動誘発性虚脱 | DNM1 | ラブラドール・レトリーバー |
| 水晶体脱臼 | ADAMTS17 | ミニチュア・ブル・テリア |
| 発作性転倒 | BCAN | キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル |
| カーリーコート/ドライアイ | FAM83H | キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル |
| 進行性網膜委縮症4型 | C15Horf71 | ゴードン・セッター アイリッシュ・セッター |
| 脊髄小脳失調症 | CAPN1 | パーソン・ラッセル・テリア |
遺伝子検査を認知し、普及させることが、遺伝性疾患で苦しむペットをなくす方法です。
引用:Lewis TW, Mellersh CS (2019) Changes in mutation frequency of eight Mendelian inherited disorders in eight pedigree dog populations following introduction of a commercial DNA test. PLoS ONE 14(1): e0209864. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0209864

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